王子を甘やかせ隊

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第7話:【悲報】甘やかせ隊、入隊者0名…王子、封印の魔法に憤る

おはなし

拝啓、画面の向こうの慈悲深き民へ。

「王子を甘やかす準備はできているか?」
そんな傲慢な問いかけと共に放たれた支援プラン『王子を甘やかせ隊』。
公開直後、サーバーがダウンするほどのアクセスと、金庫の底が抜けるほどの金貨を期待した家臣たちだったが、現実は非情である。
水晶玉(モニター)に映し出された数字は、冷酷なまでに「丸い」。
そう、限りなくゼロに近い「0」なのだ。
今、ワガママ城には、破産よりも恐ろしい「沈黙」が訪れようとしていた。


鳴り響く「無」のファンファーレ

鳴らない通知は、ただの静寂ではない。
それは王国の終わりの足音である。
布告から数日。
王子の期待に反して、魔導入力盤(アクセス解析)は死んだ魚の目のようなグラフを描き続けている。
現実は、甘いマカロンよりもずっと苦かった、シェフが焼いた「焦げたパンの耳」のように。

震える指先と、動じない「王子サマ」

大臣
大臣

(ガタガタ震えながら算盤を叩く)
……0……0ですぞ……!
王子、どこをどう叩いても、算盤の珠が『0』から動きませぬ!
誰も、誰も王子を甘やかしてくれないのですじゃあぁぁ!

王子
王子

おかしいねっ。
僕サマ、あんなに可愛く『甘やかして?』って言ったのに。
みんな、もしかして照れてるのかな?

執事
執事

王子、照れているのであればよろしいのですが……。
今のところ、水晶玉の向こう側にいる民たちは、王子の尊さを遠巻きに眺めて『面白い生態の生き物がいるな』と観察しているだけのようでございます。

メイド
メイド

そんな……!
収益0円なんてありえません!
私がアップした『もやしを寂しそうに見つめる王子サマ』の写真は、あんなに『いいね』がついたのに!
みんな、いいねするならお財布を開いてくださいっ!

禁断の錬金術が生んだ悲しき名産品「もやろん」

シェフ
シェフ

(うなだれながら)
……王子、申し訳ございません。
本日も『臨時配給所(コンビニ)』の新作マカロンは、ショーケースの向こう側でございました。
代わりに、もやしをマカロンの形に固めて焼いた『もやろん』をお持ちしました……。

王子
王子

えっ、また『もやろん』なの……?
もやろんは、もう飽きちゃったよぉ……。
ねぇ、これってきっと、魔法のせいだよねっ?

大臣
大臣

……魔法、にございますか?

王子の宣戦布告:魔法の結界(未入金)を打ち破れ

王子
王子

そうだよっ!
僕サマのお手紙が、みんなのところに届かない魔法を、悪い魔法使いがかけちゃったんだ。
だから、僕サマが直接みんなにお願いしてあげなきゃ!

執事
執事

(眼鏡を指で上げながら)
……なるほど。
王子自ら、ネットワークの海へ『おねだり』の親書を放流されると。
……大臣、切腹の準備を止めて、王子のスマホを充電しましょう。

大臣
大臣

そ、そうじゃな。


結び

収益ゼロという絶望的な数字を前に、王子はまさかの「魔法のせい」という超ポジティブ解釈を披露した。
しかし、城の維持費(ドメイン代)という名の結界維持費の支払期限は、刻一刻と迫っている。
果たして王子の「無邪気なおねだり」は、民の固く閉ざされた財布の紐を解くことができるのか。
それとも、明日の食卓にはさらなる「もやろん」が並ぶことになるのか。

次回予告

ここから先は、王子を甘やかした者だけが立ち入りを許される聖域。
現実の「もやろん」に絶望した王子が、脳内で作り上げた「キラキラな未来」を覗き見てみましょう。

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