王子を甘やかせ隊

王子を甘やかせ隊の
隊員募集です

詳細はこちら

大晦日なのに、お城の冷蔵庫が「かなしいたけ」な件について。

特別エピソード

冬の澄んだ夜空に、除夜の鐘が静かに響き渡る大晦日。
城下町からは年越しそばの香ばしい匂いが漂ってくるが、ここ「ワガママ城」の台所から漂ってくるのは、なぜか香ばしく焼かれた「パンの耳」の匂いだけであった。

執務室の窓辺、左に少し傾いた王冠を載せた緑の髪が、寒そうに揺れている。
王子サマは、首回りの白いファーに顔を埋めながら、一枚の「空っぽの請求書」をじっと見つめていた。

王子
王子

……ねぇ。
世の中には『海老天』っていう、サクサクで贅沢な食べ物があるって聞いたんだけど。
僕サマの目の前にあるこの『細長く切ったパンの耳』は、魔法で海老天に変わる途中なのかな?

シェフ
シェフ

王子サマ、それは私の魂の結晶……『パンの耳切り蕎麦・デミグラス仕立て』にございます!
蕎麦粉を買う予算が尽きたため、パンの耳を極限まで細く切り、見た目だけでも年越し感を演出いたしました……!

大臣
大臣

あああ……先代の王よ!
ついに我が国は、年を越すための蕎麦粉すら買えなくなりましたじゃ!
ですが王子サマ、嘆いている暇はございません!
2026年こそはこの『甘やかす会』を成功させねば、拙者、中庭の雪の上で切腹いたしますぞ! ですじゃ!

王子
王子

わーっ!
大晦日に縁起でもないこと言わないでよ、大臣!
……でも、そうだね。
今年はみんなに助けてもらってばかりで、ナゲセン箱が枯れ葉に埋まったりもしたけど……。
来年はもっと、僕サマの『理想』をいっぱい形にしたいんだ。

執事
執事

……お珍しく、前向きなお言葉。
国民の皆様が、王子サマのその『放っておけない危うさ』を愛してくださったからこそ、こうして(パンの耳ですが)年を越せるのですな。
さぁ、カメラが回っております。
最後にご挨拶を

メイド
メイド

(スマホを連写しながら)
王子サマ、最高です!
その『お腹が空いてちょっと潤んだ瞳』、全国民が“守らなきゃ”ってなりますわ!
早くSNSにアップして、お年玉の事前予約を促さなきゃ♡

王子
王子

……え、あ、もう回ってるの!?
こ、コホン。
えーっと。
国民諸君!
今年一年、ワガママな僕サマを温かく見守ってくれてありがとう。
2026年は【王子サマを甘やかす会】で、僕サマの本当のワガママとか、お忍びの姿とか、全部さらけ出しちゃうからね。
……だから、来年こそは僕サマに、本物のお肉を食べさせてよね!

不敵に微笑もうとして、空腹でお腹が「ギュ~」と鳴ってしまい、顔を真っ赤にする王子。
そんな主を囲んで、家臣たちの賑やかな夜は更けていく。
ワガママ城に足りないものは「金貨」だけ。
愛だけは、この冬の寒さを溶かすほどに溢れていた。

次回予告。
ついに新年!
『王子サマを甘やかす会』の扉が開かれる!!

……お肉、待ってるね?

おつおーじ!

コメント

タイトルとURLをコピーしました