誰かが言ってた 生きることの意味
トイレの壁の落書き
「人は 死ぬために生きる」のだと
優しい風の吹く公園で
「当然の報いだ」と笑う紳士
そのスーツは 何を守るため?
あの丘にのぼれば
すべてを見わたせると思っていた
風が僕らを包み込み
体が軽くなるような気がしていた
誰もが並べる 夢ということ
夢追う瞬間だけが
いつも 楽しいひとときなのだと
現実を見れば足はすくみ
簡単に跳ぶことはできず
考えるほどに 怖くなってしまう
井の中の蛙でも
空の青さは誰よりも知っている
ただ丸い空だけを見つめ
一生懸命に生きているから
もっと もっと
足りなくなる満足
補えるのは 自分でしょ?
満たすのも 満たされるのも
すべては 自分次第
雨が止まなきゃ 虹は出ない
雨が降らなきゃ 虹は出ない
海と空とをつなぐように
あなたと僕とをつなぐもの
誰かが言ってた 生きることの意味
巡り逢うために 生まれてきた
今ならトイレの壁も殴れる
死ぬために生きるわけではないから
2000/11/21
虹

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